わたしの 好きな まちの〇〇

Galleryそら presents

作家さんの目線で鳥取のまちで見つけた『好き』を、作品でご案内

 2018年にギャラリーそらで父の個展を開催。活動を手伝うため当時住んでいた京都と鳥取を月に1度往復する中で「Y Pub&Hostel TOTTORI」という場所に出会い「地元に戻る選択もアリだな」と考えるようになりました。当時はすぐ戻る予定ではなかったのですが、自身の療養もあり、2019年にUターン。気付けば鳥取に戻って5年目突入です。

 鳥取市で生まれ育った私としては、都市部や海外にあるようなパブ(公共の社交場)とホステル(素泊まりの宿)の機能を持つ場が地元にあることにビックリ。年に数回帰省していた頃は灰色のように感じていたまちなかで、この場は異国情緒溢れ原石のように光り輝く感じたことのない雰囲気を醸し出していました。京都で近しい場の常連だったので居心地が良く感じ、スタッフの皆さんを始め、様々な方と交流するようになりました。鳥取をアートやデザインで耕す先輩達、自らの生活を楽しみながら営む同世代IJUターンの友人知人など、出会う皆さんの活動に惹かれ、鳥取で暮らす人や場の解像度が格段に上がったことで「地元で一緒に何かできると楽しそう」と考えるようになったのです。


 2023年1月21日に7周年を迎えたこの場は、様々な方がお祝いのために集い賑わう時間となりました。「場が持つ力以上に、集う人々の力でさらにその場が光り輝くのだ」というコロナ禍前に感じていたことを久しぶりに感じました。今後も厳しい世になるかもしれませんが、場があり続け、人が行き交うことで光り輝き続けて欲しい大切な場です。


文・イラスト 蔵多優美

↓蔵多さんが関わっているプロジェクト

アイアイ

ー地方における鑑賞教育の取り組みを探るメディアサイト

「鑑賞教育」に関するインタビューやリサーチによる調査研究プロジェクト(公益財団法人小笠原敏晶記念財団の2021年度 調査・研究等への助成(現代美術分野)採択)。鳥取県内外の実践者へインタビューを実施しており、11.11にメディアサイトを公開しました。この1年をかけて取り組んでいます。実践者との対話を通して見えてくる「鑑賞」。どういうものが明らかとなるのか、プロジェクトを進行するリーダーとして楽しみつつ、多くの関係者の協力の下で進行しています。


 自ら動いて考えて実践行動できる頼もしい人が蔵多優美さんです。デザインやアートを軸に様々なチームと関わり合ってプロジェクトを遂行しています。その中で鑑賞の大切さを実感し、「対話型鑑賞」に自ら取り組むことになりました。美術ってなんだか縁遠いと感じる人たちに鑑賞と対話を通して美術は自由で面白いと気付かせる素敵な案内人でもあります。今後、美術館やギャラリーなどで彼女が案内するワークショップに出会えるかもしれませんね。そうそう、彼女は吉田璋也プロデュースの民藝品をかつて制作していた鍛冶屋の末裔なんです。これから多方面で活躍されるのを密かに注目しています。


蔵多さんは今年8月、ギャラリーそらの版画展に出品。10月にはクートラス作品と藤田美希子さんの合同企画展中に対話型鑑賞会を予定しています。


Gallery そら / gallery shop SORA

鳥取市栄町658-3 駅前サンロード

TEL:0857-29-1622